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散文

ぽたぽた餅

2022.06.21

あらゆる分野を駆け抜けた半年とちょっとを終えて、6月と7月はゆっとりと休みながらゆっとりと作品と向き合えるなんとも素晴らしいシーズンである。

全ての作品が面白いと胸を張って言えるものであるのが、私が恵まれていると実感できる所以だろうなと認識する。
ぜーんぶ面白いですよ。
私が作品に出会う時はまだ色も形もない時だけれど皆さんが作品に出会う時にはその作品には色も形も備わって音もキラキラ瞬いているわけですから、なんだか羨ましいなと思ったりもします。


先日の休暇に、恵梨さんに会いに福岡の方まで行ってきました。
そう、ゆるキャン△シリーズでエンディングテーマをずっと担当しているあの佐々木恵梨さん。

恵梨さんとの出会いはゆるキャン△のイベントでした。先行上映会とかだったと思います。
その時はほとんどお話しせずにお互いを認識。
その次にお会いする機会があったときに連絡先を交換していただいて、私と恵梨さんの交流が始まりました。


恵梨さんが東京にいる時は我が家まできてくれたり、私が福岡に行くと会いやすい所まで出てきてくれてご飯を食べてくれました。
音楽が好きだけど、どう踏み出したらいいのか戸惑っていた私の背中に風をふわっと送ってくれて、恵梨さんも忙しいだろうに私たちの曲としてMy meとAutumn を一緒に生み出してくれました。
4月10日のkioku tadori te にきてくださった皆様にはお披露目しましたね。
出会ってから日は浅いけれど、いつの間にか心の姉さんになり母ちゃんになり……
だんだんと旦那様のヒロさんもお父ちゃんのようになってきて、いつのまにか私の中でお二人は"新たな両親"のような存在になっていったんです。


ずっとずっと会いたくて、ずっとずっと会えなかったから、やっと会えた喜びが凄まじく、あっという間に感じた滞在でした。
久しぶりに実家に帰る時と近いこの気持ちに、なんとか名前をつけたいです。


わたしは日々の蓄積で喉が結構疲れてる状態だったので喉に負担をかけないようにしつつ、会えて嬉しいからはしゃぎたい気持ちが爆発しそうになりつつでグヌグヌと時間を過ごしました。
もちろん無理はしていないのですが、帰京したらすぐ仕事だったこともあり自重して、最終日を早めに切り上げ治療の時間を作ることにしました。

「明日は帰る前にあそこ行こうねここも行こうね」
とたくさん提案してくれてた手前、当日急にやっぱり早く帰ると言うのが心苦しかったのですが「喉が思ったよりも調子が悪い感覚がするから予定より早く東京に戻る。」
と言ったら、大丈夫かぁと心配こそしてくれたものの、咎める視線ひとつなく恵梨さんらしい方法で優しく優しくヒールしてくれました。
最終日は結局どこにも行かず、スペシャルにヒールしてもらいつつギリギリまでお家でダラダラ過ごさせてもらって、最後はバス停まで送ってもらいました。

ヒロさんが
「お土産だよ」
と、近所に売ってる美味しいパンと美味しい大福とお茶っ葉をがさがさっと渡してくれた。
お二人揃って
「いつでもおいで。またおいで」
と微笑むでもなく真っ直ぐ心を渡してくれた。


幸せだなあ

申し訳ないなぁ

大好きだなあ

帰りたくないなぁ

申し訳ないなぁ





ごちゃっと混ざったままバスに乗り込んで、福岡のままと福岡のぱぱそして長男エルマー(チワワ)にありがとうと大好きを込めて手を振って、グッとお腹に力を込めて空港まで戻りました。

今日もまた3人のいる家に帰るような気持ちになりながら帰京したあと外のベンチに座って、ふーーーっと吸ったり吐いたりしたら、突然お腹が空いてきてぐうぐうお腹が鳴り出した。
「あ」と思い立って、恵梨さんヒロさんにもらったお餅をひとくち。

ふたくち。

しょっぱいような甘いよう

ひとくち。

ふたくち。

ひとくち、ふたくち、ひとくち、ふたくち。
3つ入ってた塩大福はあっという間に私のお腹に吸い込まれ、もこもこぽんぽん消えてった。
気づいたら私、めちゃくちゃ泣いてて。
え、泣いてる。泣いてるーーーーー。
って自分でびっくりしながら、東京の隅っこで、ぽたぽた涙を落としながら3つの大福をもこもこぽんぽん食べました。


辛いこともないし、しんどいこともないけど、2人の愛情をもぐもぐ食べたらぽんぽこ涙が溢れたので、涙って、幸せな時もこんなにいっぱい流れるんだったなあって思い出しました。


恵梨さん、ヒロさん、エルマー。
たくさんたくさんありがとう。
福岡ではいろんなことを体験したので、きっとぼちぼち更新します。
散漫たる日々、爛漫に!

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