散文
サラダ記念日
2024.10.01
この夏なかなかからだが受け付けなかった生野菜。秋の風を浴びたからでしょうか、突然サラダが美味しくなった。
9月21日はサラダ記念日。
つばめグリルに行ったんです。
久しぶりに。
そしたらサラダが美味しくて美味しくて。
あの日からわたしは毎日ロメインレタスにシーザードレッシングをかけてボウルをかかえてたべている。
つばめグリルといえば、わたしにとっては『一尺四方の聖域』の思い出。
渋谷にあったあの劇場は、楽屋がとってもコンパクトで、一部屋しかなかったんです。
つまり全員同じ部屋。
吉田鋼太郎さんも大塚明夫さんも溝端淳平さんも、同じ部屋。
楽しかったしありがたかったけど、ずっと緊張感が抜けなくて。劇中泣くシーンがしっかりあったわたしは昼夜公演の時はリセットするために、近所のつばめグリルに避難してたのでした。
毎日同じランチハンバーグを食べて、時間までのんびりさせてもらって、リセットしてから夜公演に備えて戻る。
舞台の公演中、同じものを食べ続けたいわたしは、あの公演が終わるまで、毎日毎日ランチハンバーグを食べ続けたのでした。(贅沢)
昼公演で泣き疲れたわたしを包み込んで、夜公演の涙を仕込んでくれるジューシーな肉汁。
副交感神経を優位にしてくれるほくほくのジャガイモ。そしてインゲン豆。
最近は外食自体少ないからあまり行くこともなかったけれど、うっかり行くと毎日毎日悔しかった公演期間を思い出して、今を踏ん張らせてくれる、特別なつばめグリル。
今回新しい思い出ができたから、次からはサラダのことも思い出すのだろうかと思うと、なんだか少し気が楽になった。
でも、時々はあの頃を思い出して、しっかり悔しがって明日を目指さなくてはいけないな、とも思えたのでした。
燦々たる日々爛漫に
明日もよい日になりますように